ドイツの死んだ猫にH5N1ウィルス 当局は猫からの拡散防止措置を要請

 

農業情報研究所(WAPIC)

 

06.3.1

 

 ドイツ・バルチック海のリュウゲン島の死んだ猫にH5N1鳥インフルエンザウィルスが発見された。リュウゲン島では先月半ば以来、野鳥のH5N1ウィルス感染が発見されており、この猫は感染した鳥を食べて感染したらしい。ドイツ連邦動物保健研究所は、接触島の猫所有者に感染中心地から猫を遠ざけ、特別な衛生予防措置を取るように要請したという.

 

Bird Flu Strain Makes Jump to Mammals in Germany,DW-world,2.28
 http://www.dw-world.de/dw/article/0,2144,1918748,00.html

 

また、オランダ・エラスムス大学のインフルエンザ専門家であるAlbert Osterhaus氏は、オランダは、もし家禽にこの鳥インフルエンザが勃発すれば、農場の猫や野生の猫をコントロール措置ー多分、強制隔離ーに含めねばならないと考えてきた言う。

 

Cat dies of bird flu in Germany,NewScientist.com,2.28
http://www.newscientist.com/channel/health/dn8785.html

 

  上記記事によると、鳥インフルエンザウィルスが猫に感染した例はほかにはないが、東アジアの人々を殺してきた"Z genotype" H5N1 はいくつかの種類の猫を殺すことができる。エラスムス大学のThijs Kuikenとその同僚は、感染した死んだ鳥を食べることで猫の感染が起き、続いて他の猫に移ることができることを発見した(Cats can spread deadly bird flu,NewScientist.com,04.9.2)。0410月には、タイ・バンコク近くの虎動物園の441頭の虎のうちの147頭が感染した鶏の死体を食べることでH5N1ウィルスに殺された。また、これは動物園のレオパードも殺している。

 

  リュウゲン島ではこのウィルスによる白鳥の死が確認されているが、飼い猫に食べられるいくつかの種の鳥も感染している可能性がある。東アジアでは、カラス、スズメ、ツグミの類の死んだ鳥にH5N1ウィルスが見つかっている。

 

 ただし、Albert Osterhaus氏は、H5N1で直ぐに死んだ猫が保菌者になり得ることを示唆するものは、今までのところ何もなく、人間のリスクになることはありそうもない、その糞便に多量のウィルスを放出することはないと語ったという。