FAO ヨーロッパのアヒルとガチョウのH5N1鳥インフルエンザ監視強化を要請

農業情報研究所(WAPIC)

07.10.27

  国連食糧農業機関(FAO)が25日、ヨーロッパの鶏と飼われているアヒル、ガチョウにH5N1鳥インフルエンザ・ウィルスがしっかりと居ついてしまう恐れがあると警告した。ドイツの研究者が飼われている病気の若いアヒルにH5N1ウィルスを発見したのを受けたもので、健康なアヒルやガチョウが鶏にウィルスを伝播、これらの家禽としての水鳥がウィルスの長期的存続に今まで考えられていた以上に重要な役割を演じている可能性がある。そのために、特に黒海沿岸諸国など、大量のアヒルとガチョウを飼う国々は、鶏だけでなく、手薄なこれらの家禽のモニタリング・サーベイランスを緊急に強化する必要があるという。

 FAO:Bird flu virus in Europe – a hidden danger,07.10.25
  http://www.fao.org/newsroom/en/news/2007/1000685/index.html

 この報道発表によると、H5N1ウィルスと家禽としてのアヒルとガチョウの関係は、最近、ドイツで確認された。フリードリッヒ・ロフラー研究所(Friedrich-Loeffler-Institut)の研究者が8月末、一農場の若い病気のアヒル(複数)からH5N1ウィルスを検出した。他の二つの農場でのさらなる調査で、病気の兆候や死亡がないにもかかわらず、アヒルがH5N1ウィルスに接触していたことが明らかになった。ウィルスに反応してできた抗体が見つかったからである。モニタリングの強化で、最終的に、これら農場の一つにH5N1の”ポケット”(溜り場?)が確認された。

 FAO専門家は、ヨーロッパにウィルスが広く拡散しているというわけではなく、大部分の国はウィルス・フリーだが、水鳥が多い国における未発見の局地化したウィルス・スポットが継続するリスクをもたらす可能性があると言う。