農業情報研究所環境感染症ジカ熱 農薬 ニュース:2015年2月18日

ジカ熱小頭症 ウイルスよりも蚊を退治する農薬が関連 アルゼンチン研究グループ

 ジカ熱なる聞きなれない感染症がマスコミを賑わしている。何でも、それ自体は軽症だが、ブラジルでは妊婦がジカウイルスに感染することで胎児が感染し、小頭症児が多発していると警告されている。WHOは 

 ただ、ジカウィルスと小頭症の関連性は立証されているのだろうか。WHOもこれから研究するというのだから、なにか胡散臭いはなしだ。果たしてアルゼンチンの医者と研究者のグループが小頭症はジカウィルスよりも農薬に関係しているというリポートを出したそうである。

 ウィルスを媒介する蚊の幼虫の発育を止めるために飲み水に加えれられるこん昆虫成長制御剤・ピリプロキシフェンを妊婦が摂取、小頭症の新生児の誕生につながるのではないかという。

 .S., Brazilian officials say no scientific basis for theory that chemicals — rather than the Zika virus — is to blame for birth defects,The Wasington Post,16.2.17

 グループの報告によれば、以前のジカ熱は感染国の人口の75%に感染したが新生児の小頭症は引き起こさなかった。コロンビアのような他の国でも、多くの感染があったが小頭症の記録はないという。

 他方、ブラジル保健省は2014年半ば以来、蚊の幼虫が抵抗性を持つようになったと、それまで使っていた有機リン系殺虫剤・テンフォスに代えて住友化学のピリプロキシフェンを蚊の駆除に使うようになった。小頭症の子を産む母親は水道もないブラジル北部の貧困地域に集中しており、ここでは各家庭が非衛生的なやり方で溜めている飲み水が蚊の発生源になると、保健省はこの飲み水にピリプロキシフェンをじかに添加しているという。

 小頭症多発とピリプロキシフェン使用との関連は否定できいない。

 とすると、いまや軍まで動員、薬を使った蚊の駆除に注力するブラジルのジカ熱対策は全く的外れ、却って新生児異常を増やすことになりかねない。オリンピック選手・観衆も蚊より水にご用心ということだ。