牛と大豆民が2050年までにアマゾンの40%を破壊 地球温暖化にも巨大な影響ー新研究

農業情報研究所(WAPIC)

06.3.23

 ブラジルの研究チームが、現在の趨勢が続くと、牛牧場と大豆農民が2050年までにブラジルアマゾンの40%を破壊し、生物多様性を脅かすとともに、地球温暖化にも巨大な  影響を与えるだろうという研究を発表した。ブラジル政府のアマゾン保全戦略はエスカレートする破壊を防止するのに必要なことに比べてはるかに足りない。

 このままでは、2050年までに、6つの主要流域と12の生態地域の3分の2を含むアマゾン森林の40%が失われ、調査された382種の哺乳類の4分の1も住処を失う。

 それだけではない。切り倒される樹木と植物は、腐敗か焼却を通じ、植物が自然の成長過程で蓄積した二酸化炭素を放出する。森林の40%の喪失から大気中に放出される二酸化炭素は、石油・石炭・ガスの燃焼で年々放出される量が70億トンほどであるのに対し、250億トンから400億トンにのぼる。これは、地球温暖化に巨大な影響があることを意味する。

 さらに、森林破壊は、広大なアマゾン地域の熱と降水のサイクルに関連した地域と地球の天候システムにも大きく反響する。

 研究者は、アマゾン地域全体に公的保護区域を作ることを要請する。また、農民には持続可能な方法で土地を管理していることを認証するガイドラインに従うことを要求すべきだと言う。さもないと、牛肉と大豆の大儲けのできる国際市場へのアクセスも失うことになろうと警告する。

 Britaldo Silveira Soares-Filho et al,Modelling conservation in the Amazon basin,Nature 440, 520-523 (23 March 2006)
  Abstract:http://www.nature.com/nature/journal/v440/n7083/abs/nature04389.html?lang=en