オイルパーム・プランテーションがインドネシア森林破壊の最大の元凶―新研究

農業情報研究所(WAPIC)

08.10.31

 ジャカルタ・ポスト紙によると、インドネシア・フォレスト・ウォッチ(FWI)の新たな研究が、インドネシアの世界最速の森林破壊(1時間に300のサッカー場の面積―ギネスブック)の主要な原因が大量の森林のオイルパーム・プランテーションへの転換、木材と移住地造成の需要の増加であることを発見した。

 セントラル・カリマンタン、リアウ、パプアで行われたこのフィールド研究によると、大企業による森林のオイルパーム・プランテーションへの転換が森林破壊の最大の元凶だ。パームオイル企業は、刈り払われた森林の樹木から追加利益を得るために、遊休地よりも刈り払った森林を使ってプランテーションを拡大している。

 プランテーションへの最速の転換はセントラル・カリマンタンで見られる。1年間にオイルパーム・プランテーションに転換される森林の面積は、91年には1,163fにすぎなかったが、07年には461,992fと、17年間で400倍にも増えた(セントラル・カリマンタン政府のデータによる)。

 06年には約816,000fがオイルパーム・プランテーションのために刈り払われたことが分かった。州の300万fの泥炭地の14%がオイルパーム・プランテーションに転換された。

 リアウでは、地方政府が全森林面積の38.5%をプランテーションへの転換に割り当てた。06年時点で、150万fのオイルパーム・プランテーションを含む270万fのプランテーションが存在した。

 パプアでプランテーションのために切り倒された550,000fの森林のうち、480,000fがオイルパーム栽培に割り当てられた。

 林業省によると、オイルパーム・プランテーションは、90年の110万fから06年には610万fに増えた。87年−97年には180万fだった年平均森林破壊面積は、主に森林火災のために2000年までに280万fに跳ね上がったが、00−06年には108万fに減った。しかし、FWIによると、89−03年の年平均森林破壊面積は190万fになる。

 森林破壊を加速しているもう一つの要因は、国の紙・パルプ企業に割り当てられた産業用森林からの原料供給が需要に追いつかないことから来る木材需要の増大という。

 紙産業の能力は87年の100万トンから07年の1,100万トンに増えた。パルプ産業の能力も、この間に50万トンから650万トンに増えた。

 ところが、これら産業は必要な原料の50%しか供給できない。従って、割り当て区域外の森林から木材を調達しているに違いないという。

 さらに、前政府の移住計画も森林破壊に寄与している。リアウでは773,331fが移住地域に転換され、パプアでは再定住区域を作るために773,331fの森林が刈り払われた。

  Forests losing battle against plantations,The Jakarta Post,10.30
  http://old.thejakartapost.com/yesterdaydetail.asp?fileid=20081030.H04