人口増加→農地拡大・森林減少で50年以内に国土の80%以上が砂漠に ウガンダの予測

農業情報研究所(WAPIC)

10.3.20

 アフリカ第三位のスピードの人口増加と経済発展で、一人が1年に使える水の量は、現在の2000立法メートルから2035年には深刻な水不足の目安とされる1000立方メートルを下回る896立方メートルに減る。

 人口増加の結果として森林破壊も進む。農地拡大のために森林が伐採されるからだ。林地の比率は1990年の16.5%から、2005年には11.5%へと既に急減している。同じ期間、小規模農業用地の比率は35%から37%に増えた。農業生産性の低迷と人口増加が重なり、一層多くの土地が農地に転換されよう。これが森林の侵略につながりる。森林破壊は、都市人口増大による薪や建設資材の需要増加によっても加速される。

 一部地域は1990年以来、既に森林の半分を失っている。このような森林破壊が続けば、50年もしないうちに国土の80%以上が砂漠になるだろう。

 現在のペースで森林破壊が続くと、国は2020年までに燃料用木材輸入国に転じる。大量の森林破壊は雨のサイクルに影響を与え、特に丘陵地の土壌侵食と地滑りにつながる。土壌が洗い流されると農地が失われ、土地の肥沃度が落ち、水資源が汚泥で汚染される。土壌劣化は個人所得の減少につながる一方、汚泥で埋まった河川の水は人間消費に不適となる。

 ウガンダ水・環境省の最近の報告による予測である。こんな将来を避けるためには、人口増加率を減らすしかないというのが報告の結論である。それに失敗すれば、経済発展も難しくなる。

 Water scarcity to hit Uganda by 2035,New Vision,3.16
 http://www.newvision.co.ug/D/9/36/713116

 「サハラ以南アフリカでは、現在の耕地面積を約4倍に増やせる」という学者がいる(川島博之 『世界の食料生産とバイオマスエネルギー』 東京大学出版会 2006年 19頁)。そんなことをすれば農業・食料生産は増えるどころか、砂漠化を推し進めるだけだと気づかないのだろうか。