オイルパーム栽培は先進国の大規模農業より持続可能性で勝る マレーシア環境大臣補

農業情報研究所(WAPIC)

10.3.29

  マレーシアの環境遺産大臣補が、マレーシアのオイルパーム(油ヤシ)栽培は、持続可能性に関しては先進国のいかなる大規模農業に比べても勝っていると語った。

 オイルパーム・プランテーションのために樹木は伐採されたが、伐採跡地に別の樹木(オイルパーム)が植えられたのだから、これは永久的な森林消滅を引き起こしはしなかった。環境主義の”偽善者”はマレーシア政府が森林を破壊していると非難しているが、彼ら自身の国は100年以上前に森林を破壊した。

 「彼らは自身の森林を農業のために切り倒したのち、我々にはそうするなと諭す。しかし、我々が自分の土地を耕さなければ、我々には進歩がない。商業的農業は所得改善につながる」。

 Oil palm farming sustainable in Msia,The Star,3,28
 http://thestar.com.my/news/story.asp?file=/2010/3/28/nation/5950714&sec=nation

 しかし、オイルパーム・プランテーションが環境的持続可能性の観点からして天然林より劣ることは確かだ。それは先進国の大規模農業と同様に、環境的持続可能性を脅かしている。先進国は大規模モノカルチャー農業を、マレーシアは大規模オイルパーム・モノカルチャーを見なおさねばならない。どちらも、環境的観点からみた持続可能性を脅かしてきた。東南アジアの熱帯雨林破壊とその耕地化は、既に洪水、土砂崩れ、干ばつの頻発を招き、農業、さらには住民の命そのものを脅かしつつある。

 問題は、このマレーシア指導者の例が示すように、多くの途上国指導者にそのような自覚を持たないことだ。