英国消費者保護団体 日焼け止めクリームなどナノ化粧品に警告 

農業情報研究所(WAPIC)

08.11.8

  イギリスの消費者保護団体”Which?”がナノテクノロジーを使った化粧品に警告を発した。ナノ粒子を含む化粧品が広く使われているが、その安全性をめぐる問題は未解決のままだという。

 Beauty must face up to nano,Which?,10.5
 http://www.which.co.uk/about-which/press/campaign-press-releases/other-issues/2008/11/beauty-must-face-up-to-nano.jsp

 ブランド化粧品メーカーは、消費者の利益になる新たな性質を与えると、ナノ形態の物質の開発を進めているが、一部のナノ物質には潜在的リスクもある。専門家は、特にDr Brandtその他が使うフラーレンの安全性に疑問を呈しているが、大部分のナノ物質は独立安全性評価が義務化されていない。

 5日に発表されたWhich?の研究報告(Small Wonder: Nanotechnology in Cosmetics)によっても、多くの日焼け止めクリームにナノ物資が使われていることが分かった。ナノテクノロジーの利用に関するこの調査で、主要ブランドを含む67の化粧品メーカーに、どんな効用があるのか、製品の安全性をどのようにして確保するかを書面で聞いた。回答したのは17社だけ、しかもナノテクノロジーをどのように使うかに関する情報を提供する意思があるとしたのは8社だけだった。

 Which?によると、メーカーはその効果を主張するけれども、EUの専門家は焼けた肌など損傷した肌への影響を調べる一層の安全性試験を要求している。消費者の87%は、主として表示がないために、化粧品にナノ物質が含まれていることを知らない。

 この発見は、ナノテクノロジーの安全性研究の強化と、現在見直し中のEU化粧品立法の抜け穴への取り組みを要請するものという。

 Which?は次のことを勧告する。

 ・政府は企業にナノ物質使用の報告を義務付けるべきである。

 ・安全でない恐れのある製品や違法な製品は店頭から撤去すべきである。

 ・政府にナノ日焼け止めのリスクについて勧告する独立専門家グループを設置すべきである。

 ・EU化粧品立法は、独立安全性評価に基づいて化粧品への使用が許されるナン物質のポジティブリストを導入すべきである。

 ・化粧品へのナノ物質と一層広範なナノテクノロジーの利用について、消費者に明確な情報が提供されるべきである。 


 ナノ粒子・チューブは新たな化学的特性を持つから、適切な安全試験と明確な表示のきっかけとなるように英国とEUの立法の下で新たな化学物質として扱われるべきだ、化粧品のような消費財への使用を許可する前には、より大きなサイズの化学物質とは別に独立科学安全委員会の承認を受けるべきだ、産業はナノ粒子の新たな特性が考慮されたことを示す安全試験の詳細を公表すべきだ、などとした英国王立協会の4年前の勧告(英国王立協会等、安全で適切に規制されたナノテクノロジー開発を勧告,04,7.31)など、どこ吹く風だ。

 この分では、海山に行くにも、スキーに行くにも、安心して使える日焼け止めはなくなってしまいそうだ。