農業情報研究所環境ナノテク2011年5月20日

ナノ粒子が小麦の成長と土壌酵素の活動に悪影響 中国チームの新研究

  中国研究者の新たな研究によると、製造過程や消費者製品の使用過程で環境中に放出されるナノ粒子が土壌に入り込むと小麦の成長を大きく減らす恐れがある。

 化粧品やエレクトロ二クス製品に使われるナノ粒子の生産、使用、処分は、これら粒子の大気、水、土壌への放出につながる可能性がある。廃水中に含まれる、あるいは農業技術に直接利用されるナノ粒子は、作物と直接接することになるだろう。ひとたび土壌に入ったナノ粒子は、作物と土壌のエコシステムを変えることになる。

 中国科学院の研究チームは、日焼け止めやエレクトロニクス製品に広く使われている酸化チタン(TiO2)と酸化亜鉛のナノ粒子が小麦の成長と土壌の酵素の活動に与える影響を調査した。酸化チタン・ナノ粒子は小麦のバイオマスを13%減らした。酸化亜鉛・ナノ粒子は7%減らした。酸化チタン・ナノ粒子は小麦の細胞壁に直接くっつき、酸化亜鉛・ナノ粒子は作物の有毒亜鉛吸収を増やした。ナノ粒子は土壌環境に明らかに有毒jで、一部の土壌酵素の活動を変えるという。

 研究者は、この研究結果はナノ粒子使用の禁止理由とはならない、そのためには土壌中のナノ粒子の行動(ビヘイビアー)と生態的影響に関する一層の研究が必要だと言う。ただ、ナノ粒子排出を減らすべきことは示唆しているという。

 Wenchao Du et al.,TiO2 and ZnO nanoparticles negatively affect wheat growth and soil enzyme activities in agricultural soil,J. Environ. Monit., 2011, 13, 822-828
 Abstract:http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2011/em/c0em00611d

 原発、遺伝子組み換え、ナノテク、もうたくさんだ。そんなものはなくても、というよりない方が、人間はわけの分からぬ不安に脅かされることなく、ずっと平穏に、幸せに暮らせる。