農業情報研究所環境ナノテク2011年11月2日

日焼け止めなどに含まれる酸化チタンナノ粒子 脳への毒素侵入を防ぐ関門を破壊 フランス原子力庁の実験

  フランス原子力庁(CEA)が先月26日、化粧品(日焼け止めクリームなど)、トナー外添剤、ゴム充填剤、反射防止膜などに広く使われている酸化チタンナノ粒子が、脳を毒素から護る血液脳関門(壁)を変質させる恐れがあると発表した。このナノ粒子への日常的暴露はその脳内への蓄積を引き起し、脳がもつ一定の働きを混乱させる恐れがあるという。

 鼻に注入した酸化チタン(TiO2)ナノ粒子が脳内、特に嗅球や記憶について重要な役割を果たす海馬に発見されたというラットを使った研究は2008年に発表されている。CEA研究者は、これらナノ粒子が、血液脳関門によって毒素から護られている脳に、どのようにして入り込んだかを 突き止めようと、血管内皮細胞(半透過性の膜の上で培養)と(神経組織の)グリア細胞を結合する血液脳関門の細胞モデルを作った。このモデルは、ひとの中に存在する血液脳関門の基本的特徴を備えている。

 このモデルに対する試験管内でのナノTiO2への曝露で、これが内皮細胞内に蓄積することが立証された。脳血管炎症に結びついた保護壁の破壊も見られた。さらに、毒が中枢神経組織に浸透するのを防ぐ役割を果たす蛋白質(P‐糖蛋白質)の活動減退も確認されたという。

 Les nanoparticules de dioxyde de titane altèrent, in vitro, la barrière hémato-encéphalique,CEA, 26 Octobre 2011
 http://www.cea.fr/le_cea/actualites/nano-tio2_et_bhe-66353

 近頃、ナノ粒子を含むことを故意に隠した日焼けどめも出回っているそうである(ナノの話(1)ナノ日焼け止め 二酸化チタンや酸化亜鉛のナノ粒子)。余り塗りたくらないことだ。

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