農業情報研究所

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イギリス:新たな原発建設はルール・アウト、有力シンクタンク

農業情報研究所(WAPIC)

03.1.16

 来月、イギリス原子力産業の将来の一つの転機を画することになるであろう政府のエネルギー白書が出そうである。「ガーディアン」紙によればNuclear power 'on the way out',Guardian Unlimited,1.14)、大部分のマグノックス炉は2010年までに閉鎖されねばならず、貿易産業省は、イギリスのエネルギー供給の安全を保障するために原発がどの程度まで不可欠なのか研究しており、大臣は、風力のような更新可能なエネルギーを経済的で、安定した代替電力源として扱う方向に傾いている。

 そうしたなか、影響力の大きい中道左派のシンクタンク・IPPRは、来週、政府のエネルギー白書では新たな原発建設の可能性は排除されるべきだと提案する。来週発表されるIPPRのリポートは、産業も、政府も、イギリス原発へのテロリストの攻撃に対する準備を十分にしてこなかったと論じている。それによれば、民間原子力産業は、既に、セラフィールドの中レベル廃棄物貯蔵庫に飛行機が突っ込めば、2日間で3万人の死者が出ると計算している。最善の政策的解決は、一つの発電施設の規模が大きくなりすぎない分散したエネルギーシステムを支持することだという。IPPRは、新たな原子炉プログラムは、コスト削減のために一連の原子炉が建設されねばならないだろうから、多様性(分散)を強めるよりも、弱めることになるだろうと警告する。

 折りしも、13日には、核施設の安全が保障されていないことを示すためにと、30人のグリーンピース活動家がイギリス東部の原発に乱入した。何人かは、サフォーク・サイズウェルの原子炉上のドームに登ることに成功、侵入6時間後の深夜までそこにとどまった。指導者は、「イギリスは戦争に軍隊を送っている。我々はテロと戦っている。イギリス原子力産業は最高レベルの警戒体制にあると言われているが、侵入は朝飯前のことだった」と言う(Protesters Invade British Nuclear Plant,The New York Times,1.14)。