米国公益企業 核廃棄物処分料金徴収停止を求めて国を提訴 支払うべき最終処分計画がない

農業情報研究所(WAPIC)

10.4.6

 米国の16の公益企業と1つの公益企業団体が5日、政府はネバダのユッカ・マウンテンに高レベル核廃棄物の最終処分場を作るという計画を放棄したと、エネルギー省を相手に政府が核廃棄物処分料金の徴収を停止するように求めて訴訟を起こした。

 提訴した企業は合わせて年7億5000万ドル―1キロワット時あたり0.1セント―を基金に払い込んでいる。この金はユッカ・マウンテンの最終処分場の開発のために支払われると想定されたものだ。エネルギー省は2008年6月、ユッカ・マウンテン地下最終処分場建設の許可を核規制委員会(NRC)に申請した。NRCの許可を得るために、エネルギー省は処分場(高レベル廃棄物貯蔵所)が安全に建設でき、運用できることを証明せねばならない。

 ところが、エネルギー省は先月、この許可申請を取り下げることを公式に求めていると発表した。地元選出の有力上院議員が計画廃止を要求しているととも、サイトが廃棄物処分に技術的に適しているかどうかもぜんぜんはっきりしない。先週、新たな廃棄物戦略に関する連邦諮問委員会が初会合を開いたが、これは処理技術の選択のような広範な問題に焦点を当てており、新たなサイトを見つけようとするものではない。

 原子力エネルギー協会(NIE)の法律問題最高責任者(ゼネラルカウンシル)は、こういうわけだから、もはや料金徴収の根拠がなくなったと言う。エネルギー省長官は、貯蔵所の建設・運用・閉鎖のためのコストを基礎に年々の適切な料金を推定することになっている。しかし、いまや、こういうコスト計算の対象となる計画自体がなくなってしまった。

 U.S. Sued Over Nuclear Waste Fees,The New York Times,4.6
 http://www.nytimes.com/2010/04/06/business/energy-environment/06nuke.html?ref=business

 ここで直接問題にされているのは”料金”だが、根本問題は核廃棄物の最終処分方法がいまだに見つからないことだ。世界で唯一、ユッカ・マウンテンの地下貯蔵所建設で最終処分方法を見出したと思われた米国の計画も破綻した。最終処分方法が定まらないままに、世界中で原発建設が続き、寿命が尽きる原発も続々現れる。日本の民主党政権も、温暖化防止と称して原発を推進する構えだ。どんな廃棄物戦略があるというのだろうか。