農業情報研究所環境原子力東電福島第一原発事故関係2011年4月1日

東電福島原発が廃炉へ しかしどうやって 日本が負う100年の十字架

 東電が福島第一原発1〜4号機の廃炉を決めたそうである。政府は5号機、6号機も廃炉にせよと言っているそうである。当然ではあるが、通常の場合でさえ安全な廃炉の技術は未確立だ。まして、めちゃめちゃに壊れた事故機の廃炉など、どうしたらできるのだろうか。

 読売新聞からそっくり引用すると次のとおりだ。

 「◆短期的課題

 目の前にある最大の課題は、高濃度の放射能に汚染された大量の水処理だ。作業用トンネル(トレンチ)にたまっている汚染水だけで、計約1万3000トン。このほか、量は不明だが、タービン建屋の地下にある大量の汚染水も除去しなくてはならない。

 汚染水を除去できれば、原子炉本来の効率的な冷却機能復活への道が開ける。しかし、現状では汚染水に阻まれ、原子炉の制御機器を動かす外部電源ケーブルすら敷設できていない。

 内部の放射線が強すぎて機器の修理ができなかったり、汚染水の排水ができなかったりして、電源が回復しないといった事態も想定される。漏えいが続くと、一時的な保管場所にしている外部タンクでは間に合わなくなる。関係者から「新たな貯蔵場所を、早急に確保しなければならない」という意見が出ているのには、こうした背景がある。

 汚染水を除去できたとして、同原発からの放射性物質の大量放出を止め、安全な状態に持ち込むには、原子炉を「冷温停止」と呼ばれる段階にする必要がある。杉山憲一郎・北大教授は「外部電源で本来の冷却装置を動かし、水を循環させることができれば、1〜2日で冷温停止に導ける」と話す。廃炉に向け、核燃料をさらに冷やして取り出せる状態にするには、さらに数年はかかりそうだ。

 一方、仮設ポンプで炉心に水を送り続ける現状が続くと事態はより深刻になる。海老沢徹・元京都大原子炉実験所助教授は「核燃料は少しずつ冷えていくが、冷温停止には少なくとも数か月を要するだろう」と、推測する。このシナリオだと、水の注入量は増え、汚染水も増える。

 ◆長期的課題

 最終的な廃炉には、数十年の時間がかかる。国内の商用原発として、初めて廃炉作業に入った茨城県の日本原子力発電東海発電所では、1998年の営業運転終了後、2021年までかけて段階的に進めている。

 廃炉は、燃料を取り出し、放射線量の低減を待つ。この間、発電機など汚染の少ない設備を先に解体、最後に原子炉の鋼鉄容器などを切断し地下深くに埋める。現在は熱交換器などの撤去作業中だ。

 しかし、原子炉や建屋が破損した福島第一原発の例では、こうした通常の手順通りに解体できるか疑問だ。松浦祥次郎・元原子力安全委員長は「今回は汚染低減作業に非常に手間がかかる。廃炉は恐らく20〜30年では終わらない」と語る。」

 福島第一原発、廃炉は数十年がかり 読売新聞 3月31日
 http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110331-OYT1T00177.htm

 松浦祥次郎が言うように、「廃炉は恐らく20〜30年では終わらない」というのが本当のところであろう。「目の前にある最大の課題」さえ片付くかどうか見通せない現状では、ひょっとして、それ上の時間をかけても廃炉は不可能ということになりかねない。

 実際、チェルノブイリでは、25年を経た今も、いつ廃炉作業に着手できるかさえ分からない状況だ(放射能が日本に拡散 ”Nature News”の記事の要約紹介追補)。石棺をかぶせたものの、放射能はなお漏れ続け、放射能を帯びた大量の冷却廃水も吐きだし続けている。計画どおりにいっても、完了は2065年だ。4基もの事故機の廃炉がこれより早くなるとは考えられない。その間、ずっと放射能漏れの脅威にさらされることになる。原発の絶対的安全性を強調、多くの反対にもかかわらずこれを推進してきた政治家、企業家、大学教授が、今なお大きな顔をしてテレビで吹きまくるとは何事か。彼らは、おのれが犯した罪の大きさに全然気づいていないようだ。廃炉を決めたとはいえ、日本は100年も十字架を背負わねばならないかもしれないのだ。