農業情報研究所東電福島第一原発事故関係2011年7月26日

ホームセンター販売腐葉土から高濃度セシウム 稲わらだけではない、すべてが汚染されている

 恐れていたことが現実に起きた。つい先日、農水省が放射性セシウム濃度が一定濃度以下の汚泥肥料の使用を認めた、こんなことをしていると土壌汚染が一層進み、「全国に拡散し、全国の田畑どころか各家庭のホームガーデンにまで汚染が広が ってしまう」と警告、政府は「汚泥肥料の流通実態を調査、放射性物質検査体制を整え、放射性セシウムを多少なりとも含む汚泥肥料の流通を止める措置を早急に講じるべきである」と要請したばかりである(農業情報研究所:農水省の大罪 農地除染は放置 放射性物質を含む汚泥肥料の流通容認,、2011年7月9日)。

 それから2週間後、秋田県放射能対策チームにより、県内のホームセンター・コメリ(本社・新潟市)で販売されている栃木県産の腐葉土から高い濃度の放射性セシウムが検出された。25日朝、県民から「コメリ湯沢店で販売されている腐葉土を放射線量測定器で計測したら、高い値が出た」との情報が寄せられた。同チームが情報に基づいて湯沢店と秋田市の卸町店で調査した結果、腐葉土袋から1センチの位置で0・20〜1・74マイクロシーベルト、1メートルの位置で0・06〜0・48マイクロシーベルトの放射線量を検出した。卸町店の腐葉土に含まれるセシウム濃度を測ったところ、下水道汚泥を肥料原料に再利用する場合の国の基準値(1キログラム当たり200ベクレル)を上回る1万1千ベクレルが含まれていることが判明したという。

 栃木産腐葉土から高濃度セシウム さきがけ 11.7.26

 ホームセンターで売られている腐葉土は、多くは流行りの家庭菜園やガーディニングで使われるだろう。特に東日本では、とりわけ子どもの被ばくをできるかぎり減らそうと、自治体や市民が身近な生活環境の除染に懸命に取り組んでいる。その鼻先で、高濃度汚染腐葉土(肥料、土壌改良資材)がばらまかれる。国はそれでも動かないのだろうか。

 大量の放射性物質を吐き出す重大事故が起きてしまった以上、国が最優先で取り組まねばならないのは、山、川、湖、山林、原野、田畑等々いたるところに飛散し、降下した放射性物質を徹底的に監視、そのさらなる拡散を防ぎ、除染に取り組み、人々の被ばくを最小限に抑えることである。そのための万全の手立てを講じねばならない。

 ところが、国のやっていることといえば、この程度の汚染なら外で遊びたいだけ遊んでも、たらふく食べても心配することはないと不安の鎮静を最優先、環境や食品の放射能モニタリングは杜撰そのもの、都合の悪いデータは隠匿さえする。稲わら−牛肉汚染は、まさにその結果にほかならない。稲わらについては落ち度があった、今後はこういう手抜かりがないようにしますと言う舌の根も乾かぬうちに、汚染腐葉土の全国拡散ですか?金も機器も足りないからと牛の全頭検査はしぶる。汚染汚泥肥料の拡散は公然と認める。この政府は、重大事故に対処するための基本的な心構えさえ持っていない。

 「圧制的で秘密主義的な政治システムは安全性の文化を欠き、危機においては無責任に行動するというのがチェルノブイリの最も重要な教訓だ」(元ロイター通信員、トニー・バーバー、Financial Times,2011.4.19)