農業情報研究所環境原子力東電福島第一原発事故関係2011年9月10日

福島の粘土質土壌から玄米への放射性物質移行率は微小 ヒマワリの除染効果も微小 福島の試験研究 

 福島県農業総合センターが9日、郡山市の同センターで開かれた農業分野における放射性物質試験研究の成果説明会で、福島県の水田土壌の50%を占める灰色低地土(粘土が多い)から稲への放射性物質の移行率が非常に低いという試験結果を発表した。放射性物質濃度が1キロ当たり2000ベクレルから6万3000ベクレルの人工的に作った土壌で栽培した稲からの玄米の放射性物質濃度は最大で80ベクレル、土壌から玄米への放射性物質の移行率は0.5%から1.5%だったという。農水省が想定した10%の10分の1ほどでしかない。同じ福島県農業総合センターと東京大学の行った福島の土壌からの放射性セシウム溶出率20%から推測される(参照:進むコメのセシウム検査 規制値超えの可能性はゼロに近いが 消費者は?稲わらは?)最大3.4%に比べても少ない。

 従って、福島の高濃度汚染土壌で生産される多くのコメの放射性物質濃度は、せいぜい50ベクレルほどにとどまる可能性が高い(だからと言って消費者が安心できるわけではない。「暫定」規制値とはいえ、現在の500ベクレルという上限は、余りに高すぎる。食品宅配サービスの「らでぃっしゅぼーや」はその10分の1=50ベクレルの自主規制値を設けている。チェルノブイリ事故を受けてウクライナ政府が設けたパン・パン製品(日本のコメに相当する)の規制値は20ベクレルにすぎない。普通に食べ続けて食品からの内部被ばくを1ミリシーベルトにとどめるためには、これが限度という。

 それだけではない。県農業総合センターの担当者は、「灰色低地土に比べ、他の土は移行率が数倍の場合もある。土によって異なる点は注意が必要」と言っている。

 コメの問題とは別に、除染効果が期待されるヒマワリは、予想よりも放射性セシウムの吸収力が低い可能性が出てきたという。飯舘村二枚橋地区と同センターのほ場で調べた結果、飯舘村で1キロ当たり7770ベクレルの土のヒマワリで79ベクレル、ほ場では3600ベクレルの土で56ベクレルと、移行率は1〜1.5%だった。ヒマワリの除染効果が極めて限られたものでありそうだとは、筆者も再三指摘してきた。それでも、ヒマワリ除染は一種の流行とさえなっている。試験がこの流行に水を差すことを切に希望する。

 玄米から検出は微量 県農業総合センターが栽培試験 福島民報 11.9.10