農業情報研究所環境原子力東電福島第一原発事故関係2011年10月6日

  まだまだ続く暫定規制値 放射線審議会 長期にわたり年1mSv以上の被ばく限度

 今後の被ばく線量基準の在り方を検討している国の放射線審議会基本部会が、平常時の一般住民の被ばく線量限度とされる年1ミリシーベルトを達成することは各地の線量の現状から当面困難と判断、「緊急事態が収束した後も長期にわたって」適用される年1ミリシーベルト以上20ミリシーベルト未満の「中間目標」を設けることが政策決定で有効という考えを盛り込んだ提言を近くまとめるそうである。年1ミリシーベルトは長期目標として位置づけるという。

 中間目標の具体的な数値は示さないというが、こういう提言が出れば”関係省庁が年1ミリシーベルトよりも緩い規制値を設定しやすくなる”というのは確かであろう。ただ、「基本部会は、目標となる線量は「これ以下なら安全」という意味ではなく、あくまで線量低減を図るための目安であることを強調する方針だ」そうである。

 被ばく限度 年1ミリシーベルト 当面困難 東京新聞 11.10.6
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2011100602100003.html

 こうなると、内部被ばくの上限を5ミリシーベルトとして設定された水・食品の暫定規制値も、「緊急事態が収束した後も長期にわたって」続くことになりそうだ。

 ただ、暫定規制値は「これ以下なら安全」という意味ではないと国が公認するのなら、それはそれで結構だ。今は、暫定規制値の「安全基準値」へのすり替えが流行っている。おかげで、暫定規制値以下だからと言って安心はできないと言う多くの消費者が、風評被害の元凶などと非難されている。そういうことはなくなるだろう。

 怖いのは、中間目標の設定が、年1ミリシーベルトという目標を早期に達成するための放射性物質拡散防止と除染を軽んじることにつながることだ。国民は、政府がこれを怠ることがないように、監視を一層強めねばならない。脱原発を叫ぶのも結構だが、それこそが目下の喫緊の課題だ。