農業情報研究所環境原子力東電福島第一原発事故関係2014年8月19日

福島産米輸出再開というが どうしようもなく違和感

 福島県産米の輸出が再開されることとなったそうである。

 県産米輸出を再開 シンガポール他国へ拡大図る JA全農 原発事故後初 福島民報 14.8.19

 福島県農家のみならず、日本国民としても喜ぶべきことなのだろう。しかし、このニュースには、どうしようもなく違和感が伴う。東電福島第一原発事故に関連したここ数日のニュースを見るだけでも、次のような見出しが並ぶ。

 原発事故3年半 除染袋劣化 中身漏れ 保管仮置き場 破損相次ぐ 規格外品、ずさん管理横行東京新聞 14.8.19 朝刊 2面)

 最終処分場候補地撤回求め意見書 指定廃棄物で栃木・塩谷町47news 14.8.18)
 
宮城・加美町「原発NO」最終処分場選定に不信(核心)(東京新聞 14.8.18 朝刊3面
 最終処分場 関東4県も苦慮河北新報 14.8.18)
 
「最終処分場調査反対」緊急集会に1000人河北新報 14.8.18)

 凍結止水断念の恐れ 第1原発トレンチ、作業完了できず 福島民友 14.8.15

 津波対策置き去り 汚染水流出の恐れ 第一原発 福島民報 14.8.17

 これらのニュースが示唆するのは、福島第一原発の過酷事故で大気中に放出され、とりわけ奥羽山脈から越後山地を経て関東山地にいたる本州脊梁山地〜太平洋にかけての広大な大地に降り注いだ大量の人工放射性物質を集め・人間と環境に無害な場所に閉じ込める道筋が未だ見えないこと、増えつづける「汚染水」は結局は海に放出せざるを得ないであろうこと、さらには、壊れた原発は今にも襲ってくるかもしれない地震や津波で再び苛酷事故を起こし・大量の人工放射性物質をまき散らす恐れさえあるということである。

 つまり、事故収束の目途がまったく立たないばかりでなく、同一原発の第二の苛酷事故さえ恐れねばならないのが現実だということである。

 そのなかで、農家といえども喜んでいていいのだろうか。輸出にケチをつけるつもりはない。ただ、全体的状況とのギャップが大きすぎるのだ。農地土壌の汚染と農業労働に伴う被ばくの問題は別にしても、とても祝賀の気分は起きないということである。