農業情報研究所環境原子力東電福島第一原発事故関係20183月30日

 環境省有識者会議 除染土の農地再利用基準公表 全国バラマキ指針案も

環境省は29日、東京都内で開いた有識者検討会で東電福島第一原発事故に伴う除染で生じた土を埋め立て、園芸作物などの農地に再利用するための基準を公表したそうである。環境省の公式発表にアクセスできないので詳しいことは未だ分らないが、福島民報紙によると、「農地に再利用する除染土の放射性物質濃度は、工事中の作業員や周辺住民の被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下になるように試算」、「1キロ当たり5000~8000ベクレル以下とし、食用作物向けには使用しない」、「除染土には放射線を遮るために50センチ以上覆土し、花卉(かき)やバイオマス燃料に活用できる植物を植える」。「帰還困難区域の飯舘村長泥地区で今年行われる実証試験に適用する」とのことである。

除染土、農地再利用基準を決定 食用作物には使わず 福島民報 18.3.30

 これは「反転耕」による「農地除染」の考え方を踏襲するものであろうが(農地除染の最有力手段、反転耕の実演が始まった 農地土壌生態系はどうなる? 農業情報研究所11.12.14)、食用作物は作らないとしたのは汚染を拡散させるようなやり方への反発を和らげようとしたためであろうか。あるいは、農業復興の邪魔になる「風評」の助長を恐れたからだろうか。

 それでも、除染土が地下水に染み出したり、大雨や大地震でむき出しになったりする可能性は否定できない。食用作物を作ってみようとする不届き者も現れるに違いない。

 会合では、再利用場所などの情報を環境省が一元的に管理し・将来にわたって住民と情報共有する、強風や大雨などの災害で除染土が流出した場合の対応者は環境省と地元自治体で事前に決めておくなど、除染土を公共工事などに再利用する際の手引きの骨子案も示されたそうである。

しかし、頻発する火山噴火・地震・津波・土砂災害など大災害は、このような行政管理も木端微塵に打ち砕くだろう。東日本大震災は言うまでもなく、神戸淡路大震災、熊本地震に際の行政の大混乱を顧みれば、これは誰の目にも明らかだ。ええと、あのとき、あの道路に埋めた除染土は何処でどうなっているのだろう。誰が分かるか。あそこの線量はどうなっているのか、モニターも壊れて調べる術もない(平時においてさえ、<汚染廃>仙南・試験焼却、一部の空間線量が一時基準値超す 機器故障か 河北新報 18.3.30)。全国にばらまかれた除染土の将来にわたっての有効管理など絵空事でしかないのではないのか。しっかり管理できる、そういう確答が得れないかぎり、汚染土は、例えば「中間貯蔵施設」に運び、いずれ最終処分場に閉じ込めるしかないと知るべきである。