農業情報研究所環境原子力東電福島第一原発事故関係2021510

 

「処理水」の7割は「処理途上水」 東電が処理水定義見直し

 

 東電や日本政府は、海洋への放出を決めている福島第一原発で発生する高度汚染水をALPS(多核種除去設備)で処理した「処理水」と呼び、マスコミも一貫してこの呼び方に従っている。これが重大事故を起こした原発から出る汚染水を処理した水を世界中の原発から放出されている「トリチウム水」と同じものであるかのような印象を広めている。これは、その海洋放出について米国に「国際的に容認されている安全基準に合致する」と言わせ、あるいはIAEA(国際原子力機関)に「国際慣行に沿う」などと言わせる一助ともなっている。

 

 しかし、「農業情報研究所」およびブログ「時評日日」では、一貫して「処理水」と呼ばず、「汚染水」と言ってきた。ALPS処理水の8割は「環境へ処分する際の基準」を満たしていないこと、従ってこれを環境に放出するには「再浄化」が必要になることが公然たる事実であったからである(安全・安心を第一に取り組む、福島の“汚染水”対策①「ALPS処理水」とは何?「基準を超えている」のは本当? 資源エネルギー庁 2018.10.25)。

 

 「処理水」海洋放出への内外からの風当たりに強まるなか、東電も、ついに処理水の定義を見直すことになったそうある。かつて8割と言われた環境放出基準を満たさない汚染水は、その後7割にまで減ったようだ。この7割の汚染水を今後「処理途上水」と呼び、排出基準を満たす水を「ALPS処理水」と呼ぶのだそうである(処理水定義見直し 7割が「処理途上水」(福島第一の1週間) 東京新聞 21.5.10朝刊15面)

 

 さてそれで、「処理水」海洋放出への内外の理解は深まるのだろうか。マスコミは相かわらず「処理水」と呼び続ける。「処理水」海洋放出による「風評被害」にしか目が向かない。内外の理解は深まりそうにない。

 

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