農業情報研究所環境水問題・干ばつニュース:2014年1月14日

乱開発と気候変動で中国湿地が急減 水不足の深刻化が食料・エネルギー生産・工業活動を脅かす

 中国国家林業局の新たな調査によると、中国の現在の湿地面積は5360万fで、2003年より9%減った。この間、オランダの国土面積、あるいは北京の面積の2倍に相当する湿地が消滅したことになる。この減少は農地への転換、大規模インフラプロジェクト、気候変動が引き起こしたという。

 5360fという湿地面積は、専門家が土地浸食や劣化の趨勢を覆すために死守すべきとする2020年の湿地面積・5300万fを辛うじて上回るだけである。大量の淡水を蓄える湿地の消失は、利用可能な淡水が長期にわたって不足することを意味する。湿地減少は中国の水不足を一層深刻化し、既に水不足の影響下にある食料生産、大量の水を使う石炭発電所による電力生産、工業活動、ひいては経済成長を脅かす。

 しかし、中国には湿地保護のための国家法はなく、州の規制があるだけだ。林業局のZhang Yongli副局長によれば、現在の規制やルールは断片的で我々のニーズに全く応えられない、土地利用の調査と監視に関する規程、法律破りへの懲罰、国際条約の執行体制はないに等しいという。

 China's Wetlands Shrunk 9 Percent,Cri Engrish,14.1.13
 
China's water squeeze worsens as wetlands shrink 9 pct,Reuters,14.1.14