EU:食品安全機関の設立に合意

農業情報研究所
(WAPIC)

02.1.22 

 1月21日、EU農相理事会は、欧州食品安全機関(EFSA)を設立し、また新たなEU食品法の指導原則を設定する規則を採択した。

 BSE(狂牛病)、口蹄疫、鶏肉のダイオキシン汚染など,立て続けに食品安全に関する危機に見舞われたEUでは、ここ数年、食品の安全性の確保は最優先課題の一つをなしてきた。欧州委員会は、2000年1月、食品安全に関するホワイト・ペーパーを作成、EU食品法の広範な改革に取り組んできたが、今回の規則の採択は、この改革の第一歩の完了を意味する。

 専門家で構成されるEFSAは、米国食品医薬局(FDA)に倣って構想されたもので、これにより、EU各国は食品安全に関するルールを策定し、その実施を監視するEU規模の監督機関を与えられることになる。それは、食品や飼料の安全性やリスクを評価し、欧州委員会に政策を提案する。

 新たなEU食品法の指導原則には、安全な食品・飼料のみを供給し・安全でない食品・飼料は市場から回収する食品・飼料産業の責任、すべての食品・飼料・飼料成分の追跡可能性(トレーサビリティ)などが含まれる。また、以前からの食品に関する早期警戒システム(危険が予見される場合に各国に警戒を呼びかかるシステム)に飼料に関する情報を加えることにより、飼料早期警戒システムも設置される。これにより、飼料中に発見された危険物質や飼料のリコールに関して、構成国間での迅速な情報交換が可能になる。

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