中国食品工場検査 食品加工に工業用原材料やリサイクル・期限切れ食品を利用

農業情報研究所(WAPIC)

07.5.27

 チャイナ・デーリー紙によると、 中国の食品生産産業の全国規模検査で、食品加工に非常に多種類の違法成分が使われていることが明らかになった。

 Industrial raw materials found in food,China Daily,6.27

 26日に国家質量監督検疫検験総局が発表したところによると、染料、鉱物油、パラフィンワックス、ホルムアルデヒド、発癌物質のマラカイトグリーン(緑色の合成色素で、絹・羊毛・黄麻・革・綿・紙等の染色に使用,される。2005年、わが国への輸入養殖鰻加工品から検出されたことがある)などの工業用原材料が、粉、キャンデー、ピクルス、ビスケット、ブラック・ファンガス、メロンの種、氷豆腐、シーフードの生産に使われていた。 一部加工業者はリサイクル食品、あるいは期限切れ食品も使っていた。

 総局長は、これらは孤立した例ではないと記者会見で語った。大部分のケースは従業員10人未満の小規模な未認可加工工場が関係している。違法行為が発覚した工場はすべて閉鎖された。国の100万の食品加工工場の75%が小規模な民間所有工場だ。

 全国規模の検査が始まった昨年12月以来、検査官は2億元(2600万ドル)相当の汚染された、または基準に満たない食品を押収した。少なくとも180の工場が閉鎖され、37工場は認可を取り消された。11のケースは司直の手に委ねられた。とはいえ、ワイン、肉、ミルク、飲料、醤油、調理油など、広く消費される食品に焦点を当てた検査は未だ完了していないという。

 彼は、食品安全は常に最優先しており、違反者は決して容赦しないと言う。しかし、中国農業科学アカデミーの専門家は、小規模食品工場の多さと執行官吏の数の少なさが検査を阻む恐れがあると心配する。このような小工場は国中に分散しており、これが監督を難しくするという。

 要するに、どこかの国のコロッケ工場も顔負けするような工場が数え切れないほどあり、取り締まる人員もとても足りないということだろう。いや、どこかの国にもいっぱいあるが、たまたま見つかっていないだけかもしれない。

 リスクゼロはあり得ないといっても、ここまで来ると、消費者は何を食べるにも病気や死を覚悟せねばならない。実際、中国では、何かを食べて何十人が入院したなどというのは、大したニュースにもならない日常茶飯事だ。何百人の学生が入院したとなってやっとニュースになる。恐ろしい時代だ。