世界最大級のNZラクトフェリン輸出企業 メラミン汚染で輸出停止へ

農業情報研究所(WAPIC)

08.9.29

  優れた健康食品・栄養補助食品として非常な高値で売られる牛乳蛋白質成分・ラクトフェリンの世界最大級の輸出業者であるニュージーランドのタツア乳業協同組合会社の製品からメラミンが検出された。

 汚染レベルは人の健康への影響が考えられないほどに低いが、乳児4人の死につながった中国製粉ミルクの汚染で世界中の消費者がメラミンに敏感になっている。従って、同社はメラミン汚染の原因の究明のために、その輸出を停止する。同社に限らず、乳製品輸出業者は、将来、製品を出荷する前にメラミン汚染の検査をすることになりそうだという。

 Melamine scare sees NZ firm suspend exports,New Zealand Herald,9.29
 http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=10534813

 中国の一取引先が2週間前、中国でその製品にメラミンが検出されたとタツアに伝えた。中国とニュージーランドの両方での再検査の結果、9月22日と23日に4ppm以下の汚染が確認された。

 タツアの自主的検査では原料乳のメラミン汚染は発見されなかったが、哺乳類や植物の体内でメラミンに分解されるシロマジンを含む殺虫剤を使用する農業者か、それともシロマジンかその代謝物であるメラミンに汚染されたアブラヤシの実のような安価な輸入飼料を乳牛に与える農業者を通してメラミンが原料乳に入った可能性がある。これを追跡調査で調べるという。

 世界市場はメラミン汚染に敏感になっており、また健康リスクが考えられないほどに汚染レベルが低くても消費者の受け止め方が重要だから、この調査は乳製品輸出者にとって重大な意味を持つ。他のラクトフェリン製造者であるフォンテラとウエストランドはその製品の汚染を報告していないが、タツアも中国市場で汚染が発見されるまではメラミンの検査などしてなかったと言う。