韓国 有毒飼料添加物検出で中国産ビーフストックを輸入停止に 燻製ダックなども回収・検査

農業情報研究所(WAPIC)

09.4.14

  韓国当局が中国から輸入されたビーフストックにクレンブテロールが含まれていることを発見した。チェックされた17の船荷中の13の船荷から0.2〜7.7ppbのクレンブテロールが検出された。汚染製品をすべて廃棄するとともに、汚染原因が発見されるまで、ビーフストックの輸出を禁止するように中国政府に要請した。また、予防的に、中国からのスモークダックやソーセージのような加工肉製品も回収、ビーフストックとともに検査するという。

 Gov't orders temporary sales ban on Chinese beef stock,Yonhap,4.14
 http://english.yonhapnews.co.kr/business/2009/04/14/53/0501000000AEN20090414008100320F.HTML

 クレンブテロールは喘息や気管支炎の治療薬として使われるが、中国では脂肪分が少なくて高値で売れる豚肉(等)ができるとして、政府の禁止にもかかわらず養豚飼料などの添加物として使う農家が後を絶たないようだ。

 しかし、肉への残留性は高く、人が食べると心拍数増加、吐き気や嘔吐、心臓の不調などを引き起こすとされる。中国では、こうした事件も後を絶たない。

 今年2月にも、広東のディナーパーティーで豚臓器を食べた14人が、腹痛、嘔吐、下痢、頭痛などの中毒症状を訴え、全員が入院するという騒ぎがあったばかりだ。その後、こういう豚肉を売った9人が逮捕されている。

 14 people sickened over suspected pig-feed additive poisoning in south China,xinhua,09.2.26
 http://news.xinhuanet.com/english/2009-02/26/content_10897823.htm
 Nine arrested for selling pigs fed with banned chemical,xinhua,09.3.31
 http://news.xinhuanet.com/english/2009-03/31/content_11103667.htm

 牛肉製品に発見されても不思議ではない。韓国では許容量はない(つまり、少しでもとも含まれてはならない)から、輸入禁止は当然の措置となる。日本では、例えば牛の肝臓などについて0.0006ppmといった許容量が定められているが、検査強化は無用だろうか。