インド:地理的表示登録へ、ヨーロッパの援軍

農業情報研究所(WAPIC)

03.6.30

 インド政府が、バスマティ米、ダージリン紅茶、アーグラー・Petha、ビカネール・ブヒーアなど、専らその原産地由来の品目の商品に強力な保護を与える地理的表示登録の申請受け付けを開始する。産業政策・販売促進省(DIPP)が最近、地理的表示で知られ、区別される製品の登録基準と手続を定める99年商品地理的表示保護法の下での最終的ルールを通知した。間もなく登録受け付けを開始するという。登録が承認されれば、当該製品の別の場所での模倣品や当該商品と誤認させるような表示・名称の使用が罰せられることになる。

 申請者は製品の名前だけでなく、製品を区別する特徴を記述しなければならず、登録承認に先立ち専門家委員会が請求を審査する。商標の保護は、国際的には地理的理由で独特の性質を持つ製品に必ずしも適切な保護を与えていない。EUやフランス・イギリスなどヨーロッパ諸国は、企業ではなくコミュニティーなどが持つ地理的保護の権利を商標と区別して強力に保護する法制をもち、この保護を国際的に広げようとして米国等と対立している。インドが登録に踏み切ったことは、ヨーロッパへの強力な援軍となると思われる。

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