農業情報研究所
ＥＵ:開発援助増額にドイツ等が反対
農業情報研究所（WAPIC)
2002.3.5
Financial Times紙によると、ＥＵのいくつかの国が、今月、メキシコで開かれる国連開発会議で開発援助予算増額を約束するという欧州委員会のプランを阻止しようとしている。
現在、ＥＵ諸国の開発援助予算は、平均して国内総生産（ＧＤＰ）の0.33％で、ＥＵも約束している国連目標の0.7％を上回る国はオランダ、デンマーク、ルクセンブルグ、スウェーデンの４カ国にすぎない。欧州委員会は、現実的な方策として、当面、現在のＥＵ平均である0.33％を下回る国が2006年までにこのレベルまで引き上げ、その後、平均0.39％まで引き上げるという提案を行なっている（Press release:The Commission proposes concrete action for sustainable development and a fairer world,02.2.13） 。同紙によると、この目標自体も国連の目標である0．7％に届かないとＮＧＯが批判しているが、この提案はＧＤＰの0．1％しか出さず、国際的目標の設定に常に反対している米国の先回りをしようとするものである。ところが、ドイツ・イタリア・スペインがこれに反対しているという。既に提案支持を表明しているイギリスは、最終決定がなされる3月11日の外相会議までに反対派の態度変更を促す。イギリス蔵相・ゴードン・ブラウンは、4日の蔵相会議でこの問題を取り上げる。
開発専門家は、2015年までに貧困を半減させるという国際社会の目標は一層の援助なしには達成できないと恐れ、世銀は年に400ー600億ドルの追加援助が必要としているが、先月合意されたメキシコ会合の文書草案では、米国の圧力によりすべての援助目標が削除された。
EU states try to block rise in aid budgets,FT com,2.4
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