農業情報研究所


国連環境計画(UNEP):EU・日本・中国の乱獲でアフリカ西岸の漁業資源が枯渇

農業情報研究所(WAPIC)

2002.3.19

 WTOの下で始まる新多角的貿易交渉では漁業補助金の削減が交渉され、貿易と環境の問題も論議される。15日、ジュネ−ブで漁業補助金に関する国際ワークショップが開かれるが、それに向けたUNEPのプレス・リリースによると、EU、日本、中国が漁場へのアクセスを与えられたモーリタニアに関する予備的研究は、漁法に関するルール無視もあり、過去4年間にタコの漁獲量は半減し、のこごりエイなどのいくつかの魚種は消滅したことを示している。外国漁船の乱獲により、漁業部門の雇用も重大な影響を受けている。モーリタニアの伝統的なタコ漁の雇用者数は1996年の5000から1800にまで減った。

 この例は、貧困との闘いや経済開発に必要な外貨を獲得するために外国漁船に漁場を開放する途上国の困難を浮き彫りにしている。プレス・リリースは、途上国が漁業産品の貿易から大きな利益を得るためには、貿易と漁業政策が持続可能な資源管理を支えるように改革される必要がある、モーリタニアの例を含む過去のカントリー・スタディは、無規制の貿易自由化により引き起こされる損害だけでなく、魚の貿易が開発に寄与し、海洋環境を維持するための行動の必要性も示していると訴える。

 UNEP Press release:Well Managed Fisheries Vital For Environmentally Friendly Development In Poor Parts Of The Globe ,3.15

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 EU fishing fleets devastate third world,Guardian,3.16

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