ジョゼ・ボベ 次期フランス大統領選出馬を表明 シャルコジー内相の最有力対抗馬に

農業情報研究所(WAPIC)

06.6.8

 フランス農民同盟の闘士としてのファストフード(マクドナルド)との闘いで”現代のロビンフッド”とフランス人の大人気を勝ち取り(ミヨーのボベ(Le Monde,00.6.22),00.6.23)、今や反遺伝子組み換え、小農民運動、”もう一つのグローバリゼーション”運動の世界的リーダーとなったジョゼ・ボベが、リベラシオン紙に対し、次期フランス大統領選への出馬を表明した。

 現在、左翼からは社会党右派のセゴレーヌ・ロワイヤルの出馬が確実になっているが、彼女で社会党左派や共産党・革命的共産主義連合(LCR)などを含む左翼全体の支持は得られない。 他方、これら共産主義政党が独自候補を立ても勝てる見込みはまったくない。ボベは、左翼中の左翼グループ、エコロジスト、 雇用の安全保障を求め、また社会保証の後退に反対する市民グループや労働者を糾合できると読んだ。

 «Je suis prêt à assumer d'aller à l'Elysée»,Liberation,6.14

 政策面では、労働時間短縮、代替エネルギーの開発、居住条件の改善を優先する。これらは大量失業の解消に大きく貢献すると言う。また、EU建設では、2008年にEU議長国となるフランスは、2009年に選出される欧州議会議員が憲法会議に結集することを提案すべきである、国民投票でEU憲法 に反対した者の大多数は、EUへの懐疑や反EUではないと言う。

 ル・モンド紙によると、15日に発表されるパリマッチの世論調査では労働運動指導者は中道右派の有力候補シャルコジー内相に遅れを取っているが、ジョゼ・ボベは42%の支持を得ている。あり得る”左翼中の左翼”の候補は、若者(35歳以下) と労働者の過半の支持を受けている(若者では52%、労働者では51%で、シャルコジー支持を上回る)。今後の展開次第では、”もう一つのグローバリゼーション”運動が世界初の大統領を生み出すかもしれない。

 José Bové est "prêt" à être candidat à la présidentielle,Le Monde,6.14