タイ市民団体 暫定政府が日本とのEPA調印に走れば憲法裁判所に提訴も

農業情報研究所(WAPIC)

06.6.7

 バンコク・ポスト紙によると、現在のタイ暫定政府が日本との自由貿易協定(FTA)を含む日タイ経済連携協定(JTEPA)に調印するならば、タイ市民は憲法裁判所に訴えることになりそうだ。

 ソムキッド暫定副首相は6日、タイは日本の小泉首相が9月に辞める前にJTEPAに調印できると語った。先週、日本の二階経済通商産業相とソムキッド暫定副首相が、両国は協定調印を急ぐことに合意している。 

 タイ政府のピサン交渉団長は、調印準備のために協定の法的文書が1ヵ月以内に完成できると言う。法的文書や7部の協力協定の関連要素を最終的に仕上げるために、2週間以内に日本の法律専門家がバンコクを訪問し、この協議の後、この包括的協定に調印するかどうか、何時調印するかを考えるために、すべての文書を政府に提出するということだ。

 しかし、チェンマイのソムチャイ法学部長によると、タイ市民は暫定政府が調印に進むのを阻止するか、FTAの法的拘束力を無効にする裁判所の命令を求める可能性が非常に高い。彼は、この政府が憲法違反を犯そうとしている、暫定政府は日々の業務をこなすだけで、新たな政策は提案しないし、このような大きな協定にかかわらないのが通例だと言う。

 タイの市民団体、議員、学界は日本とのFTAだけでなく、米国とのFTAにも反対してきた。オーストラリアと調印した協定についても、それが合憲かどうかを憲法裁判所に問うようにオンブズマンに請願している。

 市民FTA反対運動団体のFTAウォッチは、小泉首相、二階経済通商産業相に対し、”非合法の”タクシン政府との協定調印を急がないように要請する書簡を提出することを計画している。それは、新政府が貿易協定のメリットを審査できるように、タイが総選挙を終えるまで日本が待つことを望んでいる。日本ははるか昔からタイの良き友人だったが、計画されたFTAにこだわり続けるなら、タイの政策に干渉しているとみなすと言う。

 FTA could be met with court action,Bangkok Post,6.7