EU・韓国FTA交渉 年内妥結は困難に 特に自動車部門の韓国側オファーにEUが失望

農業情報研究所(WAPIC)

07.10.20

  今週月曜日に始まり、5日間にわたった韓国とEUの第4回自由貿易協定交渉が難航、目標とする年内妥結の見込みが大きく遠のいた。

 EUの10%の関税撤廃で韓国にEU市場を奪われると日本経済界が焦燥感を高め、民間レベルにおける日・EU経済連携協定研究作業部会を今月初めに立ち上げる大きな要因となった自動車分野における意見の対立が特に激しいということだ。

 EU disappointed with Korean trade talks ,FT.com,10.19
  S. Korea, EU fail to make breakthrough in trade negotiations,Yonhap,10.19

 報道によると、EU側のイグナシオ・ガルシア・ベルセロ交渉団長は、とりわけ”韓国の工業部門における関税削減へのアプローチが非常に防衛的”だと失望を表明した。団長によると、先に合意した米国との協定(未批准)におけ韓国のオファーに比べ、EUに対するオファーは105億ドル(約1兆2000億円)ほど劣る。

 韓国側は、米国に対するオファーとのバランスではなく、EUと韓国の間のバランスが大事と主張するが、EUは韓国からの商品の対するすべての関税を7年以内に、そして80%の商品については3年以内に撤廃すると提案しているが、韓国側はEUからの68%の商品の関税を3年以内に撤廃するとしか提案していない。

 EU側の不満が特に大きいのは、自動車の非関税障壁の撤廃問題、韓国は、タイヤ、シートベルト等、自動車に関する100以上の国際基準の受け入れを拒んでいるという。

 双方とも、年内妥結の見通しは立たなくなったと認めている。