中国 米国鶏肉をアンチダンピング、アンチ補助金調査 何で鶏肉?

農業情報研究所(WAPIC)

09.9.28

  中国政府が27日、米国産鶏肉製品のアンチダンピング及びアンチ補助金調査を開始した。

 China to start anti-dumping, anti-subsidy investigations into imported U.S. chicken,xinhua.net,9.27
 http://news.xinhuanet.com/english/2009-09/27/content_12116576.htm 
 Beijing gets tough on US poultry sales,FT.com,9.27
 http://www.ft.com/cms/s/0/e7df635c-ab7e-11de-9be4-00144feabdc0.html
 Beijing gets tough on US poultry sales,Financial Times,9.28,p.3

  中国鶏肉生産者の訴えを受けてのものというが、2週間まえの米国による中国タイヤに対するアンチダンピング課税をはじめとする一連の貿易紛争が引き金となったことは間違いない。手ごろな報復材料として鶏肉が取り上げられたということだろう。米国農産物なら何でも、ダンピングや補助金を問題にできる。大豆を取り上げればもっと有効な報復材料となるが、そうなると、今度は中国人の胃袋が満たせなくなる。

 ともあれ、WTOドーハ・ラウンドが再開されるというが、世界貿易体制は混迷を深めるばかりだ。自由化が進めば進むほど、貿易制限や紛争は増える。何のためにの自由化かが問われる。