除草剤耐性GM作物、小鳥に脅威―英国の新研究

農業情報研究所(WAPIC)

2000.8

 8月31日付のフィナンシャル・タイムズの報道によると、英国の科学者グループによって行われた研究により、雑草に悩まされる農民が遺伝子組み換え(GM)作物を採用するならば、小鳥の棲息数が決定的打撃を受ける恐れがあることが示された。この研究はイースト・アングリア大学(UEA)で行われたもので、GM作物のメリットと危険をめぐる論争を再燃させるだろうという。この研究成果は、米国の第一級の研究ジャーナルである『サイエンス』誌で金曜日に発表される。

 研究者は、雑草数の増加をシミュレートするコンピュータモデルを使って、GMビート栽培のための有力な除草剤の使用が圃場から雑草の種を取り除き、ヒバリから重要な食べ物を奪い取ってしまうことを明らかにした。UEA生物学教授・ビル・サザランドは「すべては、高い雑草密度をもつ農民と低い雑草密度をもつ農民のどちらが新しい技術を採用するかにかかっている。非常に雑草が多い圃場を持つ農民がGM作物を栽培すれば、そのインパクトは破滅的であろう」と言う。

 「我々は、GM論争の最初から、殺虫剤・除草剤耐性作物の英国農村への導入が、悲惨な環境影響をもつであろうと主張してきた」。地球の友はこう言い、農場規模の試験の放棄を要求した。米国の生命科学会社で、ラウンドアップ・レディ除草剤とGMビートを生産するモンサントの言うところでは、これはフィールドで反復確認されていない理論上の研究にすぎない。計画を調整する企業グループは、GMに反対する活動家の破壊と侵入にもかかわらず、実験推進を確約した。

類似報道

GM crops might affect birds,study shows(Reuters,00.8.31)
GM crops 'could kill off birds'(BBC,00.8.31)
Biotech Crops May Reduce Bird Food(AP,oo.9.1)
GM crops could drive away birds(Times,00.9.11)
GM crops 'could put bird life in jeopardy'(The Indepaendent,00.9.1)