アフリカのバイテク農業に夜明け

農業情報研究所(WAPIC)

2000.11

 3日付のFinancial Timesによると、ケニア・ナイロビの二つの温室で、遺伝子組み換えの甘藷がアフリカの農業革命の夜明けを告げている。すべてがうまくいけば、来週、最初のフィールド・テストに入る。この甘藷は、モンサントと米国政府の支援を受けたケニア農業研究所の研究者により、どんな作物でも80%を破壊できるモザイク・ビールスに抵抗するために遺伝子操作されたものである。研究によれば、これは、副作用や追加コストなしに、アフリカに年間5億ドルの利益をもたらす。

 甘藷は様々な環境に適応し、資材投入も少なくて済むから、これは非常に重要な研究である。旱魃が弱体な農業政策や激しい人口増加と結合した国では、そのような作物はライフ・ラインをなす。この実験は、遺伝子組み換えコーンや組織培養バナナから家畜病との闘い、羊の腸寄生虫抵抗性を与える遺伝子の解読に至るまで、アフリカ中でのバイオテクノロジー実験の始動を反映している。甘藷での成功は、その他の熱帯作物での同様な進歩に繋がる可能性があり、また世界中での貿易機会を提供できよう。

 しかし、消費者グループは昆虫の農薬抵抗性や人の抗生物質抵抗性の拡散、あるいは土着作物の損害のような副作用に関する十分な論議がなされていないと言う。彼らは、モンサントの隠れた意図を疑っており、研究が商業的に利用されるのを恐れている。ケニア消費者情報ネットワークは、「我々は何の利益もないとは言わないが、問題は我々が急襲されたことであり、十分な協議がないことだ」と言う。

 これに答え、モンサントは技術は無料で移転される、ヨーロッパで広がっている不安はアフリカの緊急の必要性を考えていないという。「ヨーロッパでは、消費者のほんの僅かな部分しか生産者でないが、アフリカでは我々の70%は農業で暮らしている。我々の第一の関心は収量である」。ケニア農業研究所所長は、「我々は神により科学で環境を管理する責務を与えられている。我々が我々の利益のために環境を修正するか、環境が我々を修正し、我々を絶滅させるか、そのどちらかだ」と同意する。

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