フランス:GMOのアレルギー・リスクの評価

農業情報研究所(WAPIC)

01.12.19

 12月17-18日、フランス食品安全機関(AFSSA)は遺伝子組み替え作物(GMO)の安全性の関するシンポジウムを組織した。1月に政府に提出するリスク評価の方法に関する意見書を作成するためである。このシンポジウムでは、環境汚染とともに、アレルギーのリスクも優先的に取り上げられている。

 AFPが伝えるところによると、このシンポジウムにおいて、ナンシィ中央病院のアレルギー専門医であるDenise-Anne Moneret Vautrinが、GMOはアレルギーのリスクを呈するが、それを最小限にするGMOの便益は仮想のものでしかないと発表している。

 彼女によれば、遺伝子組み換え蛋白は、既に感受性をもつ人にあっては、他のアレルゲンとの「交叉」反応を引き起こす可能性があり、GMOの商品化の前にアレルギーをもつ人の血清に対する反応を検査しなければならない。アレルギーの徴候が見つかれば、そのGMOの開発はそこで止めねばならない。

 しかし、かつて発症がなかった人でも、場合によっては数年後にも、アレルギーが生じる可能性がある。このリスクを回避するために、アレルギー専門医による国土全体の監視網を設置する必要がある。

 パスツール研究所の「アレルギーと環境」班の指導者であるGabriel Peltreによると、花粉アレルギーには人口の15%から30%が関係しており、3.24%の人が、時に非常に深刻な食物アレルギーにかかっている。このケースは、最近10年で倍増しているという。

 GMOに関連したアレルギーのリスクの問題は、2000年、動物飼料用のスターリンク・コーンがタコスに見つかったことにより米国で持ち上がった。米国食品医薬局(FDA)は血液を採取して28例を研究したが、アレルギーの証拠はまったく出なかった。しかし、Moneret Vautrinは、研究には欠陥があり、アレルギーの原因の研究では非常に有益な生産物による直接の皮膚テストが行なわれなかったと批判した。

 OGM:risques dallergie avérés et benefices hypoyhétiques,Yahoo!France/AFP,01.12.17

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