農業情報研究所


米国:医薬品用GM作物の試験栽培規制を強化

農業情報研究所(WAPIC)

2002.6.18

 以下は、The Des Moines Regisiter.com(USDA toughens rules on biotech crops,02.6.14)が伝えるところの要約である。

 米国政府は、医薬用途の遺伝子組み換え(GM)作物による他の作物の汚染を防止するために、これら作物の栽培に関する規制を強化する。

 米国農務省(USDA)は、過去、医薬品用途の様々なタイプのGMコーンの試験のために6件の許可を行なってきた。その大部分は数エーカー未満の小さな屋外一般圃場で試験栽培されている。USDAは、このような試験栽培をケース・バイ・ケースで規制してきたが、5月21日に初めてルールを公表、規制を標準化するとともに、新たな規制も加えた。違反者には50万ドルの罰金も科される。バイテク批判者の一科学者は、規制は非常に強化されたが、適正さを保証するために、外部からの科学的アドバイスを求め、また国民がコメントできるようにすべきだという。

 USDAの一般的ルールでは、GMコーンは他のコーンから半マイル以内に栽培するのを許されないが、今年、非GM品種緩衝作物で取り囲む場合には、この制限の例外が認められた。しかし、来年からは、緩衝作物の使用は「思いとどまらせる(discourage)」。また、GMコーンは、他のコーンの3ヵ月以上前か後に栽培しなければならない。種子採取用のコーンは、GMコーン圃場から1マイル以上離さねばならない。小麦・コメ・タバコを含む医薬品用途に開発される他の作物についての追加ルールもある。

 USDAと食品医薬局(FDA)は、FDAが新製品をどう規制するかについてのルールも含み得る医薬用作物の一層広範な規制政策を策定中である。

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