農業情報研究所


フランス:12団体、全市町村にGMO屋外実験・栽培禁止を要請

農業情報研究所(WAPIC)

2002.7.8

 フランスの環境保護団体・農民団体・有機農業団体・国際援助団体等12の組織が共同して、フランスの全市町村に遺伝子組み換え体(GMO)の屋外実験と栽培を禁止するように要請するキャンペーンを行なっている。

 市町村長・議員宛呼びかけ文書(CAMPAGNE NATIONALENI ESSAI, NI CULTURE OGM POUR MA COMMUNE JE M'ENGAGE,02.4.24)によれば、GMOの問題は、単なる技術的基準の問題に留まらず、次の面でも提起されている。

 ・倫理的基盤:植物と動物の遺伝子特許権を産業に与えることができるのか?

 ・法的次元:環境責任、遺伝子汚染の責任を誰がとるのか?保証の不可能と適切な判例(法解釈)の欠如。

 ・推進すべき農業のタイプ。

 ・GMOの動物と植物に対するインパクト。

 既に多数の市町村が決議・条例・宣言などの形で屋外実験・栽培に予防措置を講じたり、禁止を要求したりしているが、このキャンペーンは、それらの動きをさらに広めるとともに、連携と支援のためのネットワークを構築することをめざしている。

 「この行動に何故参加するのか」の問いには次のように答える。

 ・ヨーロッパは、GMO生産・輸出国の圧力の下で、遺伝子組み換え作物のモラトリアム解除に向けてのますます強力になる圧力下にある。

 ・世論の75%はGMOの栽培とGMO製品を拒否している(2001年12月のEurobarometer)。

 ・小地片での実験の背後に、すべての非GMO栽培を不可能にし、高品質農業(有機農業、ラベル等)の存在を危機に陥れるGNOの大規模栽培への拡張が見えてきた。

 この運動は、実験や栽培に無関係な都市的市町村にも関係している。これら市町村も「団体食堂には責任があり、議員・市町村長は糧食供給の質に関して用心深くなければならない」からである。

 これら団体は、必要ならば法的支援も行なうとしている。呼びかけ文書には、屋外実験と栽培を3年間禁止するとともに、市町村の学校給食とすべての市町村食堂に、同期間、GMOを含む食料の購入と使用も禁止する条例・決議・宣言の雛形も添えられている。.

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