農業情報研究所


ニュージーランド:輸入種子すべての遺伝子組み換え検査を導入

農業情報研究所(WAPIC)

2002.8.2

 ニュージーランド農林省が、輸入されるスウィート・コーン(食用)とメイズ(トウモロコシ、主に飼料用)の種子に遺伝子組み換え(GM)種子が入っていないかどうかを調べる新検査制度が8月1日から実施に入ったと発表した(MAF extends GM testing for imported seeds,8.1)。

 ニュージーランドではGM作物は商用に栽培されていないし、GM種子の環境放出も認められていない。未承認のGM種子の輸入を阻止するために、現在の検査制度を7月31日で廃止、新たな制度を導入する。今後、スウィート・コーン種子とメイズ種子のすべての積荷が検査されることになる。ただし、この検査と同等の安全保証を提供できる国からの積荷はこの限りではない(ランダム検査はある)。この検査は、10月1日からはカノーラ種子にも拡張される。さらに、大豆種子についても、2003年1月1日からの導入をめざして産業団体と協議を始める。

 この検査を免除される国を決定する基準は今後策定されるが、それまでは国内の他の関係当局と協議して制度適用を免れる国を承認する。

 既存の種子生産システムは、既に未承認のGM種子がニュージーランドに入らないように高度の保証をしており、多くの企業も営業上の理由で自前の検査を行なっているという。

 なお、先の選挙で勝利した労働党政府と連立を組む緑の党は、2003年10月に期限切れとなるGM作物モラトリアムを維持するのでなければ連立を離脱すると脅していた。

 ニュージーランド農民は、年に186トンのメイズ及びスウィート・コーン種子を輸入しているが、161トンが米国からのものである。昨年は2.7sのスウィート・コーン種子に遺伝子操作DNAが検出され、焼却処分されている。

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