ブラジル議会、04/05年GM大豆栽培を承認―種子企業の特許料請求を封じる

農業情報研究所(WAPIC)

04.12.24

 ブラジル議会上院が21日、04/05年の遺伝子組み換え(GM)大豆栽培を許可する政府指令(ブラジル、GM大豆栽培・販売を容認する3度目の行政措置,04.10.19)を承認した。大統領の署名を経て正式に発効することになる。農民は栽培前に行動規範に調印せねばならず、自分の農場で生産されたGM種子の利用のみが許される。生産された大豆は06年12月まで販売を許される(政府指令では06年1月までだった)。販売量の20%がGM大豆になると予想されている。

 先の政府指令との大きな違いは、種子企業(モンサント)の特許使用料請求を事実上封じ込めたことだ。下院は、モンサントが特許使用料を請求するなら、農民への種子送り状を提出せねばならないと政府指令を変更、上院もこれを認めた。GM種子の販売は非合法なのだから、この変更は特許使用料請求を事実上不可能にするものだ。その一方で、アルゼンチンからの密輸種子や自家採種によって農民がGM大豆を作りつづけるのは公認する。ブラジル農民の利益のためなら何でもありといったところだ。こんなことを何時まで続けるつもりなのだろうか。