タンザニア、GMワタのフィールド実験へ

農業情報研究所(WAPIC)

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 タンザニアが今年、綿実蛾幼虫を殺す遺伝子組み換え(GM)ワタのフィールド実験を始めるという( GM Crop Tests Get Green Light,SciDev.Net (London),2.28)。タンザニア初のGM作物フィールド実験になる。農業・食品安全省が2月7日に発表した。省の責任者は、「タンザニアは作物収量を増やし、農業コストを減らし、利潤を増やす技術で遅れをとっている余裕はない」と言っている。

 実験は、試験所の研究でGMワタがこれを食べた虫を殺すことを示した農業大学の研究者が監督する。実験は、この虫が全国に拡散するのを防ぐために1968年以来ワタ作を停止しているタンザニア南部地域で行われる。この地域の農民は、以来、搾油用のヒマワリを栽培してきたが、この作物の国内市場は小さく、工場からの財政保証がほとんどないと不満であった。議会メンバーの一人は、グッド・ニュースだ、この技術は「解放者になりそうだ」と歓迎している。タンザニア農民協会も、人間の食料ではないから、この決定は歓迎するが、もし有害と分かったときには、これに対処するのに必要な技術はタンザニアにはないと心配する。

 現在、タンザニアではGM作物の栽培は許されていないが、政府は導入に熱心で、4月にはGM作物生産を律するために必要な法的フレームワークを提案するという。

 これにより、タンザニアはブルキナ・ファソ、エジプト、ケニヤ、南アフリカ、チュニジア、ジンバブエに次ぐアフリカで7番目のフィールド実験実施国となる。ただし、商業栽培をしているのは南アフリカだけである。