アフリカで栄養強化ソルガム育種プロジェクトが始動 栄養不良改善を目指す

農業情報研究所

05.5.14

 ゲイツ財団(Bill and Melinda Gates Foundation )が資金を提供し、アフリカの栄養不良と飢餓の克服を目指す5年間にわたる栄養強化ソルガム育種プロジェクトが始動した(Experts to Develop New Sorghum Type,The Nation (Nairobi),7.6)。ミネラルと蛋白質の含有レベルを高めた上に消化しやすい”アフリカ・バイオ強化ソルガム(ABS)”(”スーパーソルガム”)を開発するという。

 ケニアのバイテク企業・アフリカハーベスト(Africa Harvest)が主導するこのプロジェクトの実施には、アフリカ農業研究フォーラム(Forum for Agricultural Research in Africa)、アフリカ農業テクノロジー財団(African Agricultural Technology Foundation)、国際半乾燥熱帯作物研究所(International Crops Research Institute for the Semi-Arid Tropics)のほか、南アフリカのプレトリア大学、米国のミズーリ−コロンビア大学なども参加する。

 アフリカハーベストの創立者のフローレンス・ワムブグは、このプロジェクトは世界の保健問題に挑戦するハイレベルの戦略的研究であり、グループは、「栄養不足、あるいは栄養不良をアフリカの保健問題として見ている。・・・例えば、毎年500万の子供が栄養不良で死んでおり、・・・数百万の婦人が貧血のために死産をしている」と語ったという。

 アフリカ米センター(CSIR)の事務局長のヌアンゼ(Kanayo Nwanze)博士は、プロジェクトの中心目標は小規模農民がライセンスなしで栽培するのに適した栄養的に改良されたソルガムの種子を生産することにあり、「ソルガムの改変と分析は、パイオニア・ハイブレッド社、ミズーリ−コロンビア大学、南アフリカのCSIRの試験所で行われることになる」と言う。

 記事によると、世界のソルガム生産は穀物生産全体の4%を占め、世界で第4の重要穀物をなす。アフリカ諸国ではソルガムが主要穀物をなす国が少なくなく、この比重はスーダンで72%、次いでブルキナ・ファソで53%、ルワンダで52%、チャドで41%、カメルーンで40%、マリで38%、南アフリカで18%になるという。