シンジェンタ社 日本が来月にも未承認GMトウモロコシ・Bt10の輸入を許すと期待

農業情報研究所(WAPIC)

05.9.7

 Soyatech.comInside U.S. Tradeを情報源として伝えるところによると、シンジェンタ社と米国輸出業者は日本が未承認遺伝子組み換え(GM)トウモロコシ・Bt10の輸入を来月にも承認することを期待しているという。

 Corn Exporters, Syngenta Hope Japan Authorizes Bt10 Corn Next Month,soyatech.com,9.6
 http://www.soyatech.com/bluebook/news/viewarticle.ldml?a=20050906-8

 現在は輸入が禁止され、米国産輸入トウモロコシへの混入がしばしば摘発されてきたこのトウモロコシについては、現在、政府の諮問を受けた食品安全委員会が、Bt10を最大限1%を含む米国からの輸入飼料貨物の安全性を審査している最中である。ここで安全という結論が出れば、混入レベルがそれ以下であるかぎり(今までに摘発されたものはすべてそうであった)、輸入が許されることになる。

 ところが、食品安全委員会の結論が出るのは来年になるだろう。そこで、日本が輸入を許す代替方法に期待がかけれらる。つまり、米国食品医薬局(FDA)の食品・飼料としてBt10は安全というお墨付きを得ることだ。そうなれば、日本は輸入を許す可能性がある。

 シンジェンタのスポークスマンによると、それがもし問題のGMOを承認した国からのものであり、これらの国が経済協力開発機構(OECD)のメンバーであれば、日本はBt10のような未承認GMOの1%までは許す規則を利用するだろうということだ。

 企業は、典型的には米国農務省(USDA)と環境保護局(EPA)から承認を受ける。しかし、シンジェンタにはそのつもりはない。米国のGMO承認過程ではFDAの審査は義務ではなく、典型的には米国や外国の消費者に追加保証を与えるために行われる。日本は、FDAが安全を決定する”協議”または審査を完了を待って輸入を受け入れると表明したという。

 シンジェンタ社は6月にFDAにこのプロセスの開始を求めた。FDAはこれがいつ終わるか明らかにしていないが、米国のトウモロコシ産業筋は、FDAは、日本の食品安全委員会が結論を出す前に完了すると言っている。FDAも、今年初めの議会ヒアリングで、Bt10の審査は最優先事項の一つと述べているという。

 そこで、来月にも輸入許可が出ると期待しているわけだ。真偽のほどは確かめようがない。しかし、米国産牛肉輸入再開の遅れで日米関係がぎくしゃくするのを恐れる日本政府が考えそうなやり方ではある。食品安全委員会は、またもコケにされるのだろうか。