インド公的農業研究 米国民間企業に開放 農業バイテク推進が最大の狙い?

農業情報研究所(WAPIC)

05.10.14

 11月12日、インドの公的農業研究部門を米国民間企業に開放する協定がインドと米国の間で調印された。両国の農業の進歩のための新たな、利用可能な技術を開発を目的に、民間部門が”迅速な商業化”の潜在力を持つ”研究分野の確認を助ける”ことを可能にするものという。

 協同研究に関して、共同宣言は、焦点となる分野に農業バイテク、バイオ製品、水・自然資源の持続可能な管理、病虫害防除支援システム、食品安全システム、廃棄物ゼロ食品貯蔵、付加価値食品の改善を含めるが、協定は農業的に重要な植物・動物種の遺伝的潜在力を活用するためにバイオテクノロジーを利用する共同研究分野を考えることになると言う。研究成果にかかわる知的財産権に関しては、相互の利益を考え、ケース・バイ・ケースで処理するという。

 広範な協力を謳っているが、米国の最大の狙いは農業バイテクの売り込みの促進とインド遺伝資源の効率的獲得にあるようだ。国内外の強力な抵抗で行き詰まる農業バイテク企業の支援策の一環をなすものであろう。

 Indian farm research sector opened to U.S. companies,The Hindu,11.13
 http://www.hindu.com/2005/11/13/stories/2005111304641000.htm