フランス 輸入トウモロコシ種子の4分の1がGMO汚染

農業情報研究所(WAPIC)

06.9.21

 ル・モンド紙の報道によると、2005年にフランスの港で検査された輸入トウモロコシ種子のロットの24.2%が遺伝子組み換え体(GMO)を含んでいた。2004年のこの数字は35%だった。フランスのトウモロコシ種子の主要供給国の一つである米国からの輸入種子では、2年間におけるこの比率は48.6%(146ロット中の71ロット)に達した。

  2005年にGMOが検出されたロットの3分の2近く(35のうちの25)はフランスで栽培が禁止されているGMトウモロコシを含み、その大部分はモンサント社が開発したものだった。

 これらの数字は、フランス農業省食料総局(DGAL)の第三国(EU域外諸国)からの輸入種子コントロールに関する報告から出たもので、公表されていない。0.1%以上の偶然の汚染が明らかにされたのは4つのロットのみで、しかもこれらは廃棄されることなく、別の表示を受け取っただけという(フランスで生産される種子は2000トンだけで、輸入種子は3万トンというから、大量のGMO汚染種子が撒かれていることになる)。

 Un quart des semences de maïs contaminées par des OGM,Le Monde,8.20
 http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0@2-3228,36-814826@51-795895,0.html

 DGALの専門家は、非GMOと押印され、最初はEUに輸出されるはずであった種子の袋の4分の1が、多量のGMOを含むために輸出先を変更されるか、廃棄されていると推定している。フランスの一種子企業の制度関係部長のグレゴワール・ベルツ氏は、この企業が進出したチリにでもこの比率は似たようなものと認めているという。

 2004年についての報告で、DGALは、GMOが検出されたロットの数は2003年に比べて大きく増加した、この変化は第三国、特に米国におけるこれらGMOの商業栽培と関連づけられるとしていた。このような汚染が商業栽培から生じたということだ。先のベルツ氏は、大量のGMトウモロコシが栽培される米国では花粉による汚染は避けられない、花粉による汚染を防ぐためにはGM品種栽培圃場と非GM品種栽培圃場を200m以上離す必要があるが、2mしか離していないように見えると言う。

 農業省が公表していない別の事実もある。フランス食品安全機関(AFSSA)の2年間にわたる研究で、輸入種子の袋の大部分が、一つだけではなく、複数のGM品種(最大4品種)を含むことが明らかになっている。DGALの担当者も、このような多重汚染は、汚染レベルが高いロットで非常に頻繁に見られると認めている。

 とはいえ、欧州委員会は、非GM品と認めららる種子汚染の上限を定めていない。ベルツ氏は0.5%以下に抑えるのはコストが高すぎて商売にならないと、上限を0.7%にするように運動している。彼は、完全な非GM部門を望むということは、GMOを栽培する国からのすべての種子の輸入を禁止することを意味すると言う。

 わが国でも、それと知らずにGM種子が撒かれているのかもしれない。こんな検査は行われているのだろうか。