タイのコメ輸出業者 GMフリーの保証を政府に要請

 農業情報研究所(WAPIC)

06.10.18

  バンコク・ポスト紙によると、タイのコメ輸出業者が、タイ米が遺伝子組み換え(GM)フリーであることを確認するように政府に要請した。米国と中国のGM米を含む食品がヨーロッパ市場で発見され、ヨーロッパや日本などがGM米輸入を防ぐ厳しい措置を取ったことを受けたもので、彼らは、世界食糧デーを記念する記者会見で、タイ米への国際的信頼を高めるために政府の保証が緊急に必要と語ったという。

 Exporters want GM-free pledge,Bangkok Post,10.17
  http://www.bangkokpost.com/171006_News/17Oct2006_news09.php

 主要有機米輸出業者・Capital Riceの幹部は、多くの国はGM米の販売を禁止しており、非GM政策をコメを含むタイ農産品の”セールスポイント”になった、従って世界の消費者に向けたこの政策を促進すべきだと言う。

 他の大手コメ輸出企業であるChia Mengの幹部は、政府がGMフリーであると世界に認めさせることに失敗すれば、タイは輸出市場を失う恐れある、世界で人気の高い高級ジャスミン米の輸出が真っ先に被害を受けるだろうと言う。彼は、政府がGM作物の商品化はもちろん、屋外圃場試験の禁止も継続するように政府に要求したという。

 ヨーロッパで発見されたGM米汚染で、バイテク多国籍企業により開発されている数少ないGM米で、商品化に最も近いとされていたバイエルのGM米は、当分は商品化される見込みがなくなった。いつ商業栽培が承認されてもおかしくない開発段階にあった中国のGM米の商業栽培承認も大きく遠のいた。それに世界最大のコメ輸出国であるタイにおけるこの動き、バイテク企業やGM技術の唱道者は、世界の人々を飢餓からを救うという四半世紀前の約束の実現を自ら遥か彼方の地平線に追いやってしまった。