米国農務省監査局 USDAは輸入GM作物の未知のリスクに備えよ

農業情報研究所

09.1.27

  米国農務省(USDA)監査局(OIG)が、「遺伝子組み換え(GM)植物・動物の国際的開発が十全に監視されなければ、USDAは特殊な新たなGM植物・動物が国の食料供給にもたらす恐れのある脅威を見過ごすことになり得る」と警告した。

 OIGの報告そのものは確認できず、筆者は未見であるが、New Scientist.comが報じるところによると、OIGはGM作物とその形質の数、これらを生産する国の数は2015年までに倍に増え、USDAには知られていない輸入GM作物のリスクが生じると予想する。

 報告はUSDAに対し、中国、インド、ブラジルなど、開発研究が急速に進む国との連携の強化を要請、例えば中国は世界最初のGM米の商業栽培を始める準備ができているが、これはUSDAにより未だ承認されていない。新たなGM製品が表示なしで米国に入るときに問題が生じる。USDAはそれらの検査や確認の準備ができていないと警告する。、

 US prepares to block influx of GM food,New Scientist.com,1.23
 http://www.newscientist.com/article/mg20126923.300-us-prepares-to-block-influx-of-gm-food.html

 EUの厳格なGM作物・食品規制を貿易障壁とWTOに訴えたきた米国だが、次は米国がWTOに訴えられる番かもしれない。しかし、今のWTOでは米国にも勝ち味はない。