モンサントの主要GMトウモロコシ3品種 腎臓・肝臓の機能に明確な悪影響 フランスの研究

農業情報研究所(WAPIC)

09.12.12

  フランス研究チームが、「世界の食料と飼料の中に存在する三つの主要な商品化遺伝子組み換え(GM)トウモロコシを食べさせたラットを使った試験による血液と器官のデータ比較分析を初めて提示した」。

 研究に使われたGMトウモロコシはいずれもモンサント社の製品で、ラウンドアップ除草剤耐性のNK603、殺虫性のBtトウモロコシ2種:MON810とMON863である。分析は、GMトウモロコシ消費に関連した新たな「副作用」を明確に示した。副作用は製品により異なるが、大部分は食物解毒器官である腎臓と肝臓に関連したものだった。心臓、副腎、脾臓、造血器官への影響も注目される。

 研究者は、「我々は、これらのデータは、恐らくはそれぞれのGMトウモロコシに特別の新たな農薬による、肝腎毒性(hepatorenal toxicity)の徴候を際立たせると結論する」としている。これら三つのGMトウモロコシは、それぞれの特異なGMイベントに関連したはっきり区別される農薬(NK603においてはグリホサートとAMPA、MON810においては組み換えCry1Ab、MON863においては組み換えCry3Bb1)の残留物を含む。これらの物質は、以前は人間や動物の食物には決して含まれなかったもので、これらを、特に長期にわたって消費する者への健康影響も知られていないという。

 ただし、遺伝子組み換えの直接的または間接的な意図せざるメタボリズムへの影響も排除はできないとしている。

 研究者は、我々のデータは、GM作物・飼料・食品の急性・慢性毒性に関する真に科学的に有効なデータを供給するためには、少なくともこれら三つの品種において、追加的な長期(最大2年)の動物給餌研究が行われるべきことを強く勧奨するものだ、90日間の飼育で腎臓と肝臓の機能に明確な悪影響が現れたことからして、このような研究は、特に腎臓と肝臓に焦点を当てることが重要だと結論している。

 Joël Spiroux de Vendômois et al.,A Comparison of the Effects of Three GM Corn Varieties on Mammalian Health, Int J Biol Sci 2009; 5:706-726
 http://www.biolsci.org/v05p0706.htm