EU シンジェンタ社のモンサント社ヒマワリ種子事業取得を正式審査へ 競争阻害の恐れ

農業情報研究所(WAPIC)

10.6.23

  欧州委員会が6月21日、シンジェンタ社によるモンサント社ヒマワリ種子ビジネスの取得について、EU合併規則に基づく正式審査を開始すると発表した。委員会の予備的市場調査で、EUにおけるヒマワリ種子の育成と商品化、およびヒマワリ種子処理に関して競争が阻害される可能性が示された。

 ホアキン・アルムニア副委員長兼競争政策担当委員は、ヒマワリ種子産業では過去何年にもわたって整理統合が進行しており、委員会は有効な競争を確保し、革新を維持し、農業生産者にとっての資材価格上昇を防ぐ必要があると言う。

 提案された取引はヨーロッパにおける二つの主要ヒマワリ種子供給者を併合させることになる。両社とも、ヒマワリ新品種の育成とヒマワリ種子の販売で強い力を持つ。重要な競争者の除去は革新のレベルに悪影響を及ぼし、顧客の選択肢の減少とヒマワリ種子の価格上昇につながる。従って、この事業取得が、ヒマワリ品種の供給市場、ヒマワリ種子の販売市場、ヒマワリ種子処理製品(薬剤)市場に関して、EU合併規則と相容れるかどうか、重大な疑問が生じるという。

 委員会は規則に従い、この取得が欧州経済領域(EEA、アイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタインで構成する欧州自由貿易連合=EFTAとEUとの地域経済統合体)内での有効な競争を阻害しないかどうか、90日以内(10月26日まで)に最終決定を行う。

 Mergers: Commission opens in-depth investigation into Syngenta's acquisition of Monsanto's sunflower seed business,European Commission,10.6.21
 http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/10/770&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en