農業情報研究所農業バイテク>ニュース:12年12月24日

アメリカFDA 遺伝子組み換えサーモンは重大な環境影響なし、食べても安全の結論

 アメリカ食品医薬局(FDA)が12月21日、AquaBounty社が生産する”AquAdvantage”と呼ばれる遺伝子組み換え大西洋サーモンは環境に重大な影響を与えない、また食品としても安全だという結論に達したと発表した。

 Genetically Engineered Salmon
 http://www.fda.gov/AnimalVeterinary/DevelopmentApprovalProcess/GeneticEngineering/GeneticallyEngineeredAnimals/ucm280853.htm

  ”AquAdvantage”と呼ばれるこの遺伝子組み換え大西洋サーモンは、マスノスケ(キングサーモン)の成長ホルモンに”ocean pout” というウナギに似た海の魚のプロモーターと結合させ、これを魚体に戻すことで生長を速められたもので、巨大に育つ。FDAは、このサーモンは食べても安全という分析を2010年に発表しているが(米国食品医薬局(FDA) 遺伝子組み換え(GM)サーモンは食べても安全,10.9.6)、その後のパブリック・コメントを含むさまざまな議論経て、この結論に達した。ここの結論が今後60日間のパブリック・コメントを経て最終決定となれば、このサーモンがいよいよ市場に登場することになる。

 ただし、AquaBounty社はカナダのプリンス・エドワード島で採卵、これをパナマの高地に運び、そこの施設で出荷体重になるまで育てている。今回のFDAの評価の対象はこうして育てられるサーモンに限られる。このサーモンを育てる他の施設は、別途、承認を必要とする。また、この環境影響評価は米国の環境への影響だけを評価したもので、パナマやカナダの環境への影響は評価していない。


 クリスマス・イブというのに薄気味の悪い話で、このページをご覧になる方にはお詫びを申し上げる。