農業情報研究所農業バイテクニュース:2013年4月29日

米国で”モンサント保護法”が成立 危険なGM作物拡散を防ぐ裁判所の能力を剥奪 

 米国議会とオバマ大統領が、連邦裁判所から遺伝子組み換え(GM)作物の拡散を防ぐ能力を剥奪することを意味する条項を含む法律を承認した。

 活動家が”モンサント保護法”と呼ぶこの条項は、米国農務省(USDA)に対し、裁判所がGM作物の環境影響審査が間違っていると判断した場合でも、農業者が当該作物を引き続き栽培することを許容する一時的許可を出すように要求している。

 活動家によると、モンサント社が少なくとも1年前から議会に働きかけていたこの条項は、587頁の財政支出法案に埋め込まれており、下院は3月6日、上院は3月21日に通過、大統領はその五日後の3月26日に署名した。それは、栽培承認の決定が無効とされた場合でも、農務長官は、農業者、栽培者、農場事業者、または生産者の要求に基づき、ただちに一時的許可または一時的規制解除を与えるものとすると定めているということだ。

  U.S. Activists Outraged Over So-Called ‘Monsanto Protection Act’,IPS,4.28

  世界に冠たる民主主義国を自負する米国、企業の要請があれば三権分立原則さえ放棄する。金儲け、経済以外、何も考えられない世界になったのだろうか。日本もご用心、ご用心。