農業情報研究所農業バイテクニュース:2013年8月29日 

イリノイの殺虫性GMトウモロコシ畑で重大な根切り虫被害 Bt作物も根を保護できない疑い

 イリノイ大学作物学教授、Michael Grayが8月27日、イリノイ州のリビングストン郡、カンカキー郡を旅し、アメリカのトウモロコシの最大害虫である根切り虫(Western corn rootworm)から作物を護るとされる殺虫性遺伝子組み換え(GM)Btトウモロコシ(Cry3Bb1蛋白を発現するBt rootworm hybrids)が植えられた最初の年のトウモロコシ畑で、重大な根切り虫幼虫の危害を確認したことを明らかにした。

 Michael E. Gray,Severe Corn Rootworm Injury to Bt Hybrids in First-Year Corn Confirmed,Pest Management and Crop Development Bulletin (http://ipm.illinois.edu/bulletin/)

 トウモロコシは有力な根切り対策とされる大豆との輪作(これにより根切り虫のライフサイクルを断つ)で植えられている。観察された事実は、Bt hybridsを植えるときでさえ、輪作も一貫したレベルの根の保護をもたらさない証拠をなす。大豆畑の成虫の密度は、Bt作物がなかった1990年代末から2000年代初期の密度を彷彿させる。両作物の根切り虫成虫の密度は、Bt hybridsが必要な根の保護を与えるのに失敗している追加的証拠をなすという。

 根切り虫のCry3Bb1への抵抗性が生物検定により確認されれば、広大なイリノイ全体の生産者が、輪作にも、少なくとも一つのBt蛋白にも打ち勝つ力を持つ恐るべき昆虫を敵にすることになるという。

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